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株式投資家ではない・・・「総会屋」って何?

株主総会を活動の場とするアウトロー

総会屋はその名の通り株主総会を活動の場としています。彼らは本来の投資家ではなく、株主総会において影響力を行使することを利益の源泉としています。
会社経営への株主関与は本来、投資家の持分(支配比率)に比例して影響力が行使されるのが原則です。しかし、上場企業の株主総会では投資家である株主数が数万人に及ぶことが通例です。

株主総会のシステムを悪用

このためすべての株主(投資家)が議事議決において賛否を表明することは困難であり、慣例的に議場の賛成多数・満場一致をもって議事議決としていました。そういった慣例のせいで、最小単位の持ち株投資家であっても複数で乗り込み大声で異議を唱えることで議事を遅延させることが可能でした。簡単に説明すれば、総会の議事進行に関して、「会社が金をくれれば会社に協力する」「会社が金をくれなければ会社を攻撃する」という行動に出るのが総会屋なのです。

総会屋は企業の総務部を狙う

このため株主総会の時期になると、風体の宜しくない者たち(総会屋)がターゲットとした企業の総務部(株主、投資家への対応窓口)に乗り込みます。そして、自分達の作成した冊子や新聞の購入などを「提案」することになります。株主総会をトラブルなく無事に取り回したい総務部のなかには、書籍購入などの名目で金品を与えてしまうケースが多々ありました。このように総会屋と、本来の投資家窓口である企業総務部との間で癒着構造が生じていたのです。

総会屋

癒着した企業側にも責任あり

企業側の「投資家軽視」または「事なかれ主義」にも原因があったと思われます。上場企業のような大企業であればあるほど、経営と資本(投資家)は別々になっています。いわゆるサラリーマン社長・重役は、オーナー社長・重役と違い、その地位が不安定です。「自分の在任中は問題を起こしたくない」という心理にかられがち。企業内では時々、派閥争い、首脳人事をめぐる内紛も起こります。また、経営上の失敗や経理上の問題、あるいは企業幹部のスキャンダル等、企業にとって総会屋に乗ぜられる弱みを、多くの企業が大なり小なり抱えているのが現状です。そのあたりが総会屋の目の付けどころになります。

企業も弱みを見せてはいけない

企業側も、経営上のトータルにおいてはプラスになる、との短絡的な考え方が働いてしまうのでしょう。そのあたりは投資家軽視と言わざるを得ない側面もありました。企業側も総会屋の力を借りて、本来は投資家の利益に資するために開かれる株主総会をイレギュラーな形でスムーズに終わらせようとしていたのです。

投資家の利益を守るのが本来の株主総会

本来の株主総会は投資家たる株主への報告と、重要事項議決の場です。会社法ならびに定款に基づいて運営され、その手続きは極めて厳格なのでする。しかし、株主総会が儀式化した中で、会社の体面を気にする経営陣を利用したアウトロー勢力の資金源(シノギ)の一つが総会屋でした。資金源となる財産上の利益とは金銭、物品、有価証券、債権、信用供与、債務免除、債務保証、サービス労務、施設提供、無償の海外旅行やゴルフコンペの参加、リハーサル出席株主への日当、社会通念を越える手土産・飲食費・交通費、株主・その関係者の慈善団体・研究機関への寄付・会費・出版物の購入・広告料など広範囲に及びます。もちろん、「相当な対価を伴う合法的な商取引」も含まれます。つまり、総会屋が下請け企業や購買先の業者として企業に入り込むのです。

基本的には法令で禁止

ところが最近、「総会屋」という言葉をあまり耳にしなくなりました。その理由は、1981年と82年、そして97年に総会屋との癒着を厳しく罰し、本来の投資家の利益を擁護するために商法が改正されことだと考えられます。これによって「総会屋」の活動は大きく規制されることになったのです。近年では株主総会ではなく、水面下での活動に軸足を移しているとも言われています。

最近は廃れつつある

企業と総会屋の癒着するケースが減少し、健全化が一歩進んで来ました。そのため、「総会屋」という言葉も、廃れつつあるのです。そして、株主総会自体も、本来の「投資家の利益を守るための最高意思決定機関」という健全な姿に変貌しつつあります。

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